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RAID1のデータ復旧

RAID1のHDDが故障してリビルドを行う際の注意点

RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks) は、複数のHDD(ハードディスク)やSSDを組み合わせて1つのドライブとして認識させる技術のことで、しくみの違いによってRAID0やRAID1など、いくつかのレベルに分けられます。
ここでは、RAID1のメリットとデメリット、そして「リビルド」というデータ復旧作業をする際の注意点についてご紹介します。

RAID1とは?

RAID1の特徴は、耐障害性の高さです。例えば、大事なデータを外付けのHDDで管理していたとします。そのHDDとまったく同じ物をもう1つ用意してあったとしたら、万が一のときに1つのHDDが故障したとしても、同じデータがもう1つのHDDに存在するので安心です。
RAID1はこの考えを利用したもので、基本的には2台以上のHDDを使用して、それぞれのHDDに同じデータを保存します。HDDを複数使用して、鏡に映したようにコピーを作成するため、「ミラーリング」という別名でも呼ばれています。

RAID1のメリット

RAID1のおもなメリットは次の2つです。

冗長性の高さ

RAID0の場合は、1つのHDDが故障しただけでデータが失われてしまいます。一方、RAID1の場合は、1つのHDDが故障したとしても、他方のHDDにまったく同じデータが存在しているため、システムはそのまま動作し続けるという、冗長性が高いシステムです。

HDDの数が増えるだけ耐障害性が高くなる

RAID0の場合はHDDの数を増やした分だけデータを失うリスクが高まります。一方、RAID1の場合はHDDの数を増やした分だけ安全性が高まります。例えばHDDを3台使用してRAID1を構成した場合、最悪HDD2台が故障してもシステムは動作し続けます。このように、RAID1はHDDの数を増やすことで安全性を高めることができるのです。

RAID1デメリット

RAID1のおもなデメリットは次の2つです。

データの書き込みに、通常よりも時間が掛かる

RAID1は複数のHDDに同じデータを書き込むため、1つのHDDだけに保存するときよりも書き込みに時間が掛かってしまいます。HDDの数が増えるほど安全性が高まるRAID1ですが、その反面、保存に要する時間も長くなってしまうのです。

HDDの数が増えるほどストレージの利用効率が悪くなる

RAID0の場合、例えば500GBのHDDを2つ使用すれば、1TBまで保存できるようになるという大容量化が可能でしたが、RAID1にはその機能はありません。RAID1の場合、500GBのHDDを2つ使用したとしても、保存できる容量は500GBです。これは、2つ目のHDDをバックアップ用として使用するためです。
HDDの数を増やすほど安全性は高まりますが、HDDの容量を同じデータの保存に使うことになるため、HDDの利用効率は下がってしまいます。

HDDの故障に気付かず、RAID崩壊させてしまう可能性も

RAID1は1つのHDDが故障したとしてもシステムがそのまま動作し続けるため、HDDの故障に気付かずにそのまま使い続けてしまうことがあるようです。しかし、その状態で使用し続けることは、たいへん危険です。やがてもう1つのHDDも故障してしまい、気付いたときにはRAID崩壊していたなんていうことも…。安全性が最大のメリットであるはずのRAID1ですが、安心しきっていたためにデータを失ってしまうなんてことになりかねません。HDDが正常に動作しているか、こまめにチェックしておくことが大切です。

リビルドでデータを復元

RAID1では、1つのHDDが故障した場合、リビルドを行うことで元の状態に戻すことができます。リビルドとは、故障したHDDを新しい物に交換し、他方のHDDにあるデータを新しいHDDにコピーするという作業になります。
このように書くと単純な作業のように思えますが、リスクが伴う作業でもあります。ここでは、その危険性についてご説明します。

RAID 1のリビルドの危険性

RAID製品を使用する場合、みずから筐体やHDDなどを購入して組み立てるのではなく、複数のHDDが初めから内蔵されている製品を購入して使用する人がほとんどだと思います。 しかし、ここに落とし穴があります。RAID構築には同じ型番のハードディスクを使用する必要がある ため、その製品に組み込まれているHDDは製造された時期が同じで、その寿命も同時期にやってくることがほとんどです。つまり、1つのHDDに物理障害が起きたとすれば、他方のHDDに故障が起きるのも時間の問題ということが想像できます。
このリスクを知らずにリビルドを行うとどうなるでしょうか?リビルドはHDDに大きな負担をかける作業なので、そのHDDの寿命を縮めます。最悪の場合、リビルド最中に正常であったHDDも故障してしまい、データが完全に消失してしまうこともあるのです。

RAID1の正しいリビルド方法

リビルドの失敗をなくすためには、1つのHDDに障害が発生したら、正常なHDDも交換するのがいいでしょう。まず正常なHDDから、まったく別の外付けHDDなどにバックアップを作成します。その後、RAID 1に使用しているHDDを2つとも交換し、バックアップのデータを使ってRAID1の新しいHDDにデータを復元するのです。 こうすることで、リビルド中にデータを消失してしまうというリスクを回避することができます。

その他のデータ復元方法

リスクのあるリビルドを行わずにデータを復元する方法としては、データ復旧ソフトを使用するという手があります。ネットで検索するとフリーのデータ復旧ソフトが見つかりますが、フリーのソフトは性能や信頼性に欠けるものもあるため、有料のソフトを使用することをおすすめします。
しかし、データ復旧ソフトは万能ではありません。あまり知識がない人には利用が難しかったり、誤った操作によりデータ復旧に失敗してしまったりすることもあるため、自信がない方はデータ復旧業者に依頼するのが賢明です。

RAID1のデータ消失を防ぐ対策とは

HDDの故障に気付かずに使用する危険性や、リビルドのリスクなどをご説明してきましたが、使い方を注意すればRAID1は安全性の高いシステムであることは間違いありません。
RAID1と安心して付き合っていくための、日々の対策をご紹介します。

まさかのデータ消失に備えて

RAID1の場合、まずはHDDの故障に気付かなければ対処のしようがありません。HDDの異常を知らせてくれる製品なら大丈夫なのですが、自分で確認しないといけない場合もありますので、RAIDのユーティリティーで定期的に状態を確認することが大切です。
さらに、基本的なことですが、RAID1を安心して使用するためには、バックアップを定期的に取っておくことが第一です。安全性の高いRAID1ですが、HDDには寿命があるため、故障する時期は必ずやってきます。HDDの故障が連鎖的に起きないとも限りませんので、日頃からバックアップを心掛けましょう。

A1データのサービスを利用する

A1データでは、RAID復旧の専門知識を持つ技術スタッフが充実しており、豊富な経験と復旧ノウハウをフル活用しているため、安心してデータ復旧をご依頼いただけます。
RAID1のHDDに障害が起きたとき、普段からバックアップを取っている場合はご自身で復旧できる可能性もありますが、バックアップがない場合は自分でなんとかしようとするのではなく、A1データにご依頼ください。自分で復旧させようとして状況を悪化させてしまい、さらにデータ復旧が困難になってしまうという例が多く報告されています。被害が最小限のうちに依頼することが、データ消失を防ぐ最善の方法です。

料金プラン

弊社にデータ復旧をご依頼いただく際、調査料金は頂戴しておりません。また、成果報酬型システムを採用しておりますので、製品の復旧ができなければ、お客様に料金を請求いたしません。データ復旧をご希望のHDDが4台以上、あるいは仮想環境の場合は別途お見積もりをさせていただきます。
一般的なデータ復旧サービスの料金相場はこちらをご参考ください。

リカバリー価格

障害内容 復旧費(税別)
簡易障害 2万7,600円(税別)~
論理障害 15万6,800円(税別)~
物理障害 19万6,000円(税別)~
  • 「簡易障害」は、OSなどの起動ができないといった比較的簡単な障害を指します。修復はさほど難しくありませんから、料金も低めに設定されています。
  • 「論理障害」とは、機器自体は壊れていなくても、電磁的なデータ内容やファイルフォーマットの構造などが乱れたため、HDDがまともに機能しなくなることです。修復にはデータの読み込みやウィルス感染のチェックなど、緻密で専門的な作業が要求されます。
  • 最後に「物理障害」は、HDDが「物理的に」壊れたことを指します。その原因は、火災や水没、落下や踏みつけなどさまざまですが、いずれも復旧は困難です。

料金例(法人の場合)

障害例:RAID崩壊(上書きによる構造損傷/軽度)
調査費用:無料
復旧費用:189,160円(税別)〜215,040円(税別)
※パートナー優待割引、メーカー優待割引率による変動あり

以下のような症状の場合はこちらの料金の可能性がございます。
※調査した結果障害内容が異なる場合、復旧料金も異なります。

リビルドを行ったが失敗してしまった
NASで「RAID崩壊」というメッセージが出て動作しない