BIOSがSSDを認識しない?原因や対処法・注意点を解説
SSDはパソコンなどで使われる記憶媒体の一つです。HDDと比べて読み書き速度が速いことや静音性に優れていることなどから、普及し始めています。
ただ、パソコンを使用していてBIOSがSSDを認識しなくなってしまうこともあり、「原因や対処法を知りたい」「自分で対処していいのか不安…」「保存してあるデータを取り出したい」と困っていて情報を探している方もいるかもしれません。
そこで今回は、BIOSがSSDを認識しない場合の症状をはじめ、認識しない原因や対処法、やってはいけないこと、データ復旧方法などについて詳しく解説します。
データ復旧を初めて依頼するがどの業者に依頼すればわからない、費用の相場がわからない。そんなお悩みをお持ちの方はいませんか?
当社A1データは日本で初めてデータ復旧サービスを提供した会社です。データ復旧業界で最も古い業界の長だからこそ、業界のすべての会社の特徴やその会社の実態を把握しています。お客様の壊れた機器の症状と損傷具合から、適切な費用がどの程度でどの業者なら治せるのかをアドバイス致します。
お問い合わせをする
BIOSがSSDを認識しないときの症状例
BIOS(Basic Input/Output System)とは、パソコンのハードウエアを制御する根幹システムです。OSが起動する前に稼働し、OS起動時に読み込む記憶装置の優先順位、CPU、キーボードなどの管理を行っています。
はじめに、このBIOSがSSDを認識しないトラブルが起こったときの症状を見ていきましょう。
SSDが起動しない
SSDが起動していないと、BIOSがSSDを認識できません。例えば、「SSDへ正常に電源が供給されないため起動できない」「SSDに物理的な破損などが生じたため起動できない」などの状況が挙げられます。
外付けのSSDであればSSD本体の電源ランプが無点灯となるため、SSDの電源に問題があると判断しやすいでしょう。しかし、内蔵SSDの場合は目視での確認が不可能です。一般的に、内蔵SSDにはOSデータもインストールされているため、BIOSで内蔵SSDが認識されないとOSを起動できず、お手上げ状態となってしまうでしょう。
SSDは起動するがパソコン上で認識されない
「外付けSSDの電源ランプがついているにもかかわらず、パソコンで確認してもSSDが見つからない」といった症状があります。SSDは起動している(電源が入っている)ものの、パソコン上で認識されていないという状態です。
SSDはパソコンと接続すれば自動的に認識されるとは限りません。例えば、OSがSSDを制御するためのコントローラーである「デバイスドライバ」がインストールされない場合、OSがSSDを見つけられず、パソコンのエクスプローラー上にSSDのアイコンや名前が表示されないことがあるのです。
最近は、OSの進化やインターネットへの常時接続などの普及によって、外部機器を接続するだけで、必要なデバイスドライバが自動的にダウンロードできるようになりましたが、全てのパソコンが必ず最新のデバイスドライバを取得しているとは限りません。
SSDは認識するがエラーメッセージが出る
パソコンがSSDを認識しているにもかかわらず、アクセス時にエラーメッセージが表示され、「ファイルやフォルダが開けない」「新たなデータを保存できない」といった症状も見られます。今まで使っていたSSDだけでなく、新品のSSDでもこのような症状が出ることもあるようです。
こうした症状が出る多くの場合、SSD本体ではなく、ファイルシステムに異常が生じたことが原因の可能性があります。ただし、本体自体が故障している可能性も否定できません。
BIOSがSSDを認識しない原因
ここからは、BIOSがSSDを認識しないときに考えられる原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。
物理障害の場合
物理障害とは、SSDが物理的に壊れているため正常に動作できないタイプの故障です。BIOSが認識できない、あるいは必要なファイルが読み込めないといった不具合が生じます。
物理障害の原因となるのは、例えば、落下などの衝撃、水没、静電気や落雷、経年劣化などによる基盤や部品の不具合などです。特に、SSDから異音や異臭がする場合は、物理障害の可能性が高いでしょう。
無理に通電し続けると障害が深刻化する恐れがあります。悪化するほど機器修理やデータ復旧が難しくなってしまうので、むやみに通電するのは避けましょう。内蔵SSDであればパソコンの電源を入れず、外付けSSDならば電源コードを外しておくと安心です。
論理障害の場合
論理障害とは、SSDが物理的には壊れていないものの、ファイルシステムの不具合や、データ破損などにより、データを正しく読み込めなくなるタイプの故障です。
論理障害が起こる原因として、例えば、「データの読み込みや書き込みの最中にSSDの電源を切ってしまい、アクセスしていたデータやフォルダを読み込めなくなった」というケースが挙げられます。
操作ミスや誤ってフォーマットしてしまうといった人為的なミスも論理障害にあたります。
物理的な故障ではないので、システムやファイルの修復でファイルが復旧する可能性は高い傾向です。しかし、SSDをそのまま動かし続けると、取り出せるはずのデータが上書されてしまい、復旧できなくなる恐れがあります。データ復旧が必要な場合は、使用を止め、専門業者へ相談をしましょう。
その他の場合
SSDに「ファームウエア障害」が生じて、BIOSが認識しないことも考えられます。ファームウエアとは、BIOSがSSDを制御するための情報です。そのため、現在適用されているファームウエアに障害が生じると、BIOSがSSDを正しく認識できなくなります。
その他、「正しい容量を認識しなくなる」「一定時間を経過するとシステムがクラッシュする」などの症状が出ることもあるようです。
ファームウエアのアップデートは、本来であればそのファームウエア内で自動的に実施されるのですが、ファームウエアの更新に失敗して不具合が生じるケースがあります。
また、メーカーが配布するファームウエアも完全ではありません。予期しなかった障害情報がユーザーから多数寄せられてしまい、急いで修正したファームウエアを配布した事例も見られます。
BIOSがSSDを認識しないときの対処法
BIOSがSSDを認識しない場合、物理障害が疑われるケースでは自分で対処するのは避けて、機器修理サービスやデータ復旧サービスの利用をおすすめします。ただ、論理障害であれば、自力でデータを復旧できる場合もあります。
ここからは、BIOSがSSDを認識しないときの対処法について解説します。
トラブルシューティングを実行する
WindowsでSSDが認識されない場合、「ハードウエアとデバイス」のトラブルシューティングを実行する方法があります。これはOSがハードウエアをチェックし、問題があれば修復する仕組みです。
実行手順は、以下の通りです。
- スタートボタンを右クリックし、メニューの「ファイル名を指定して実行」を選択する。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウの「名前」ボックスへ「msdt.exe -id DeviceDiagnostic」と入力して実行する。
- 「ハードウエアとデバイス」ウィンドウが表示されたら「次へ」を選択すると、Windowsによるハードウエアチェックが開始される。
- 修正箇所が見つかった場合は、「修正を適用」という選択肢が表示されるので、クリックして修正を実施させる。
ただし、解決できるのは、OSシステム上でのハードウエア問題のみです。本体に問題がある場合や、BIOSに問題がある場合はWindowsのトラブルシューティングで解決できません。
BIOSでSSDを再設定する
前述のトラブルシューティングで解決できない場合は、BIOSの設定でSSDのハードウエア接続設定をやり直してみる方法があります。なお、BIOS画面を表示する方法は、メーカーによって異なるため、事前にメーカーの公式Webサイトで確認しておくと安心です。
ただし、BIOS画面は基本英語で表記され、マウスを使用できません。BIOS画面内に表示されるキーガイドを確認しながら、方向キーやEnterキー、ファンクションキーを使ってメニューや項目を選んでいくことになります。
BIOSの再設定の手順は、以下の通りです。
- パソコンの起動直後、メーカーのロゴが表示されている間に特定のキーを押し、BIOS設定画面に入る。
- BIOS設定画面に入ったら「Advanced」タブへ移動し、「SATA Controller Mode」に合わせ、「IDE」に変更する。
- その後「F10キー」を押すと変更が保存され、OSの画面が表示される。
BIOSは、SSDだけでなくハードウエア全般の設定を司っているため、設定を間違えるとパソコンが正常に起動しないという状況に陥りかねません。操作は慎重に行うか、自分で対処できないと思う場合は実行しないようにしましょう。
最新のドライバに手動更新する
パソコンにインストールされているドライバが古いために、SSDを認識しないという可能性もあります。この場合は、パソコンを起動した後にブラウザを使ってSSDのメーカーの公式Webサイトへアクセスし、最新のドライバをパソコンへインストールしてみましょう。
手順は、以下の通りです。
- SSDメーカーの公式Webサイトのドライバダウンロードページへ移動し、型番などから該当SSDを検索する。
- 使用しているパソコンOSと、bitバージョン(32bitあるいは64bit)を選択し、ドライバインストーラーをダウンロードする。
- ダウンロードしたドライバインストーラーを実行する。
なお、異なるOSやbitバージョンのドライバをインストールしてしまうと、SSDが認識できない上に別のトラブルが生じる恐れがあります。また、インストーラーではなくドライバ単体をダウンロードした場合、手動でインストールしなければなりません。
新しいデータケーブルに交換する
BIOSがSSDを認識しない場合、必ずしもSSD本体に問題があるとは限りません。例えば、外付けSSDはデータケーブルを介してパソコンに接続されていますが、そのデータケーブルの破損も原因となり得ます。
ポートや本体、BIOS設定やドライバ、ファームウエアなどに問題が見当たらない場合は、データケーブルを交換してみましょう。なお、交換するデータケーブルは、使用しているSSDメーカーと同じメーカーのケーブルを使うことをおすすめします。他社製を接続できたとしても、「認識できない」「稼働後に不具合が出る」などの恐れもあるからです。
他のハードディスクを取り外す
使用しているパソコンに、他にも外付けハードディスクを接続している場合、そのハードディスクのドライバが影響してSSDを認識できないケースがあります。そのため、他の外付けハードディスクを一旦取り外してから、SSDを再接続してみましょう。
この操作でSSDが認識されるようであれば、HDDのドライバ更新で改善される可能性があります。ただし、再発の恐れもあるため、今後もそのHDDとSSDは同時に接続しない方がいいでしょう。
それでも改善されない場合は、USBメモリやマウス、キーボードといった他の周辺機器ドライバが影響している恐れもあります。
SSDのフォーマットを行う
SSDをフォーマットすることで、SSDを認識しない問題が解決する場合があります。SSDのフォーマット形式が正しくない場合や、ディスク内のファイルが原因でSSDを認識しないケースがあるためです。ただし、この操作を行うとSSD内のデータは全て消去されますので注意してください。
フォーマットの手順は、以下の通りです。
- エクスプローラーの「PC」を表示する。
- 「PC」ウィンドウのSSDのアイコンを右クリックし、メニューの「フォーマット」を選択する。
- 「フォーマット」ウィンドウの「ファイルシステム」で「NTFS」を選び、「クイックフォーマット」のチェックを外してから「開始」をクリックする。
なお、MacでもそのSSDを使いたい場合には、フォーマット時に、Macと互換性があるファイルシステム「NTFS」「FAT32」「exFAT」のいずれかを選択しましょう。
WindowsとMac共に最新OSであれば「exFAT」がおすすめですが、Mac OSのバージョンによって適したファイルシステムが異なります。仕様などの詳細はSSDのメーカーサイトなどで確認してください。
BIOSがSSDを認識しないときにやってはいけないこと
BIOSがSSDを認識しない場合に、自分で試せる対処法をご紹介してきました。しかし、逆に「やるべきではない操作」も存在します。
ここでは、BIOSがSSDを認識しないときに「やってはいけないこと」について解説します。
初期化する
パソコンがSSDを認識しない場合、SSDの初期化を促すメッセージが表示される場合があります。しかし、言われるままに初期化をしないようにしましょう。初期化とは「フォーマット」のことを指しており、SSD内部が全て消去されてしまうからです。
安易に初期化を実行してしまうと、他の対処方法で直る可能性が断たれてしまいますし、データ復旧が難しくなってしまうのです。
通電する
BIOSにSSDが認識されない場合、むやみに通電させてしまいがちです。例えば、「本体の電源オン・オフを繰り返す」「SSDを接続したままパソコンの再起動を繰り返す」「パソコンへ接続と取り外しを繰り返す」などが挙げられます。
通電させ続けることで、SSDの障害をさらに悪化させてしまう、あるいはデータの破損を引き起こす恐れもあるのです。SSDの異変に気づいたら、電源を切り、速やかに専門業者などへ相談する方が、結果的に大事なデータを取り戻せる可能性が高まります。
不安な場合はデータ復旧業者に相談する
故障したSSDに保存したデータを取り戻す必要があり、自分での対処や判断に不安がある場合は、データ復旧サービスの利用を検討しましょう。データ復旧業者はハードウエアやファイルシステムの知識とノウハウ、復旧専用の機材や設備などを保有しており、起動しないSSDや認識しないSSDからでもデータ復旧を試みることが可能です。
しかし、あまりにも重篤化してしまうと、どのような業者であってもデータ復旧ができない場合もあります。そのため、不具合が生じたら無理に自分で解決しようとせず、悪化させる前に復旧業者へ相談するのが大切です。
もし、SSDに保存したデータを取り戻す必要がない場合には、メーカーの機器修理サービスを利用するのもいいでしょう。データ復旧とは異なり「機器の機能的な回復が目的」のためデータ復旧には対応していませんが、SSDが正常稼働できるように故障部品の交換などの修理を行ってくれます。
BIOSがSSDを認識しないときは信頼できる復旧業者に相談を!
BIOSがSSDを認識しない場合、物理障害と論理障害などによる故障が考えられます。比較的軽度な障害であれば、ご紹介したような自分でできる対処法で解決できるかもしれません。しかし、対処を試しているうちに悪化させてしまう恐れもあります。
大切なデータをSSDに保存していて、できるだけ安全に保存データを取り戻したい場合には、データ復旧サービスの利用を検討しましょう。BIOSがSSDを認識しない場合や故障が発生して、大切なデータを復旧したい際は、SSDのデータ復旧・復元のスペシャリストのA1データにお任せください!