データ復旧依頼時の同意書とは?項目の内容や意味を分かりやすく解説
HDDやSSDなどの記憶媒体が故障したとき、読み込めなくなってしまったデータの復旧を試みるのが「データ復旧サービス」です。
データ復旧業者へ依頼する際には、多くの場合、「同意書」や「依頼同意書」といった書面への同意をした上で申し込みます。業者によっては紙の書面ではなく、Webサイトの申し込みフォーム記入時に「同意事項」への確認を求める形式をとっていることもあるでしょう。
そこで今回は、データ復旧サービスの依頼時に同意が求められる「同意書」や「依頼同意書」の目的、一般的な記載項目、注意点などについて詳しく解説します。専門業者によって書類名や様式は異なりますが、データ復旧サービスを依頼する際の参考にしてください。
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データ復旧サービスの同意書とは?
データ復旧サービスを依頼する際に専門業者から求められる「同意書」や「依頼同意書」は、簡単に言うと「利用者と専門業者が互いの認識を合わせるための書面」です。
ここでは、「同意書」や「同意依頼書」が具体的にどのような役割を果たすのかを解説します。
同意書の法的拘束力
まず、データ復旧に限らず、一般的に商取引などの契約時に使われることが多い、同意書の意味について見ていきましょう。同意書には、記載されている事項に読み手が同意した、ということを証明する役割があります。法的にも拘束力のある「証拠」となるため、トラブル防止に役立ちます。
同意書が用いられる目的は、例えば以下のようなものです。
- 事業者が消費者に対して「説明義務」を果たしたことを証明するため
- 「個人情報保護法の観点」から同意を得るため
- 「不完全な法律行為」を有効化するため
・事業者が消費者に対して「説明義務」を果たしたことを証明するため
事業者と消費者間でなんらかの契約を締結する際には、事業者は消費者に対してどのような内容の契約を行うのか、消費者へ十分な説明をしなければなりません。そこで、事業者が行う説明について、消費者が十分に納得したことを証明する書類として同意書が用いられることがあります。
・「個人情報保護法の観点」から同意を得るため
例えば、インターネット上のキャンペーン応募や問い合わせフォームなどで資料請求をする際、「個人情報の取り扱いに同意する」というチェックボックスにチェックを入れる操作経験のある方も多いことでしょう。
これは、個人情報保護法上の「同意の取得要件」を満たすためのもので、個人情報の利用目的や情報取り扱い範囲などについて「同意」を求められます。
・「不完全な法律行為」を有効化するため
「不完全な法律行為」とは、単独で契約などの法律行為が行えないことを指します。例えば、未成年などは単独で契約を結べないことがありますが、親が代理人となって同意すれば、法律行為を完了できる(契約が有効になる)のです。
このように、同意書は法的に有効なもので、広く一般的に使用されている書面になります。
データ復旧サービスの同意書を提出する目的やメリット
同意書を確認する場面では、「細かい項目が書かれていてよく分からない」「確認するのが手間」と思われる方もいるかもしれません。しかし、先に説明したように、同意書には万が一トラブルが起きた際の「証拠」にもなる法的拘束力があり、消費者にとってもメリットがある書面なのです。
例えば、電話などの口約束や簡単なメールのやりとりだけで依頼をした場合、業者と利用者の間で認識違いが起こりやすく、料金や支払い期限などについてトラブルに発展することも少なくありません。同意書があれば、双方でどのような事項について同意をしたのか、事実を明確化できます。
データ復旧サービスを利用しようとするときには、大切なデータが消えてしまいパニック状態になっている場合もあります。慌てず、冷静になって、データ復旧の依頼内容を同意書で確認しておくことで、不利益を被るリスクを避けることができるでしょう。
同意書と契約書・承諾書の違い
同意書と契約書・承諾書は、いずれも記載内容が似ている書類ですがどのような違いがあるのでしょうか?
実際には、どれも契約を証する書類であるため、同じ法的効力を発揮します。同意書と契約書とで異なる点としては、契約書の場合には、契約する双方の細部の権利や義務について細かく網羅します。
一方、同意書は、相手方の提示する内容に対して「問題ない」という意思を表明する書類で、どちらか一方が相手方に求めるのが一般的です。例えば、病気の治療やワクチン接種などで医師からリスクの説明を受けた後、「それでも問題ない」と思えたら署名するといったケースが分かりやすいでしょう。
また、承諾書は、相手方の要望や条件などを「受け入れる」という意味合いを持ちます。例えば、雇用契約のように複数の条件を提示し、その全てを受け入れるかを問うために用いられるケースが多いでしょう。
データ復旧サービスの同意書の一般的な項目
同意書は定型フォーマットが決まっていることが多く、どのテンプレートを見てもおおよその項目は変わりません。ここでは、一般的なデータ復旧サービスの同意書で見られる、同意書の項目や記入例、記載する理由、注意点などを見ていきましょう。
お客様の氏名や住所
同意書を法的な証拠にするためには、どこの誰が同意書を記入したかが分かるようになっていることが大切です。また、機器や復旧データ(メディア)の配送が必要な場合には、このときに記載した住所宛てになるため、正確に記載する必要があります。
依頼者が記入する項目例および記載例は以下の通りです。
・依頼者が記入する項目例
お名前:山田太郎
フリガナ:ヤマダタロウ
郵便番号:123-4567
ご住所:○○県○○市○○○町○○丁目○○番○○号 ○○マンション○○○号室
フリガナ:○○ケン○○シ○○○チョウ○○チョウメ○○バン○○ゴウ ○○マンション○○○ゴウシツ
ご連絡先:(電話番号)xxx-xxxx-xxxx、(携帯電話)xxx-xxxx-xxxx
e-mail:xxx@xxx.com
同意書を記入する側としては、同意書以外の書類にも氏名や住所を書くこともあり、なぜ同意書にも必要なのかと思うかもしれません。しかし、同意書にも本人の基本情報が必要な理由は、同意書が「単体で完結する書類」だからです。そのため、他の書類の情報と同じだとしても、トラブル防止の観点から業者が勝手に転記することはできず、本人の記入が不可欠なのです。
不具合状況の調査票
データ復旧を行う際には、どのような状況から復旧したかという記録を不具合状況の調査票として残すことがあります。データ復旧の依頼時には、同意事項と合わせて調査票を記入するケースが多いです。
なお、専門業者によって記載事項や形式は異なり、書面の場合やWebサイトでの入力フォームに記入する場合もあります。項目別に選択肢のチェックボックスをチェックしたり、紙の場合は丸印をつけたりして記入できるようになっていることが多いでしょう。
不具合状況の調査票の項目としては、以下のような項目が挙げられます。
項目 | 選択肢 |
メディアの種類 | ・HDD(外付け/内蔵) ・SSD(外付け/内蔵) ・USBメモリ ・メモリカード ・スマートフォン ・タブレット ・その他 |
メーカー | 依頼するメディアの製造元などを記入 |
OS | ・Windows ・Mac ・Linux ・iOS ・Android ・その他 |
容量 | 2TB、100GB、256MBなどメディアの容量を記入 |
症状 | 例:3日前からハードディスクが異音を出し、本日パソコンが起動しなくなった。 |
この調査票での注意点は、用意されている項目について分かる範囲でできるだけ記載することです。どのように記入したらいいのか分からない項目がある場合には、必ず質問をして、依頼する業者との認識違いが生じないようにしましょう。
メディア(機器)の送付先や業者の住所
データ復旧の調査・診断や見積もりを依頼するときには、対象のメディア(機器)を専門業者へ送付するのが一般的ですが、送付先を誤った場合はどちらの責任なのかを明確にする必要があります。
依頼書には、誤送付トラブル防止のために、メディア(機器)の送付先住所や連絡先が記載されている場合があります。例えば以下のような情報です。
・送付先およびお問い合わせ先
〒234-5678
○○県○○市○○○町○○丁目○○番○○号 ○○ビル○階
データ復旧サービス○○
電話番号:xxx-xxxx-xxxx
e-mail:xxx@xxx.com
営業時間:10:00-20:00
大切なデータが保存されているメディアなので、誤った住所へ送付してしまわないように、送付先住所が確認できるようになっています。
また、発送方法や配送業者などの指定がある場合もありますので、記載内容に従って準備しましょう。例えば、「配送料はどちらが負担するか」「配送業者名と電話番号」「配送時に同梱して欲しい物」などが挙げられます。
復旧にあたっての同意事項
データの復旧作業を行う過程では、さまざまな状況が想定されます。例えば、データが復旧できない可能性、パソコンやメディアを解体しなければならない可能性などです。
専門業者はこれらの可能性を同意書で提示した上で、依頼者の同意を得るのが通常です。データ復旧作業にあたって想定される事項には、例えば、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- データ復旧サービスに含まれる内容と、含まれない内容
- データ復旧作業における原状回復の可否
- データ復旧ができない可能性
- データ復旧ができない場合の費用
- 預かったメディアデータの取り扱い
- 依頼人の個人情報取り扱い
- データ復旧作業で情報が漏洩した場合の責任所在
- 復旧を断るデータ
- メディア輸送中に事故が生じた場合の責任所在
- 費用の支払い方法
利用者側の注意点としては、これらの事項に必ず目を通してから同意書に署名することが挙げられます。別紙がある場合は別紙にも目を通し、紙であればコピーをとっておくと安心です。
サービスの流れや料金表
データ復旧サービスを依頼するときに、サービスの流れや料金表が明記されているかどうかは大切な選定ポイントです。
専門業者の公式サイトなどに掲示されている場合がほとんどですが、同意書にも記載されている場合があります。例えば、以下のような内容です。
- お問い合わせ:お電話やメールにて、カスタマーサポートへお問い合わせください。
- 製品と書類の送付:同意書に必要事項をご記入の上、データ復旧対象の製品と併せてお送りください。
- 初期診断:データ復旧対象製品へ初期診断を行い、復旧の可否や障害の程度を診断します。
- 見積書の提示:初期診断の結果と復旧料金を記載した見積書を、メールまたはFAXでお送りします。
- ご依頼:見積書をご確認いただき、正式にご依頼される場合はメールまたはお電話でご連絡ください。
- データ復旧作業の開始:正式にご依頼いただいた後、データ復旧作業を開始します。
- 製品の返却:データ復旧が完了した製品をお送りします。
- お支払い:メールまたはFAXでお送りした請求書の金額をお振り込みください。
料金表の記載がある場合には、最新情報であるか注意しましょう。また、キャンセルする場合の流れやキャンセル料の有無なども重要な確認ポイントです。
データ復旧サービスの同意書を提出する際の注意点
同意書を確認し終えたら、書類を提出もしくは送信しますが、その際にも注意点がいくつかあります。この注意点を知っておくと、想定外のトラブルを防止できるでしょう。
ここからは、データ復旧サービスの同意書を提出する際の注意点について解説します。
同意書に想定外の同意事項が記載されていないか確認する
当然ですが、同意する前に、同意する内容が必要十分なものになっているかを確認することが大切です。特に、依頼者側として同意できない事項が含まれていないかをチェックしましょう。
極端な例ですが、例えば、「データ復旧作業中に情報が漏洩しても業者側は一切の責任を負わない」など、利用者が不利益を被るような同意事項、納得できない同意事項の記載がある場合には、同意事項を交渉するか、その専門業者への依頼はしないほうがいいでしょう。
同意書をコピーしておく
同意書を紙で提出するとき、原本は業者側が保管しますが、利用者側も提出前にコピーをとって保管しておくことをおすすめします。
業者側しか同意書を保管していないと、「同意書を紛失したので内容が確認できない」といったトラブルが起こり得ます。互いに同意書の内容を確認できるようにしておけば、万が一どちらかが紛失しても、後から内容を確認できるのです。
また、同意書のコピーを保管しておくことで、同意書の偽装防止にもなります。同意書に記載し確認を終えたらコピーを作成し、作業が終了するまで保管しておきましょう。
同意書の日付を記入・確認する
一般的な契約書類と同様ですが、同意書が法的効力を持つものにするため、いつ業者と利用者が「同意」したのかが分かるように、忘れずに日付を記入または記載があれば確認するようにしましょう。
同意書の内容をしっかり確認してデータ復旧業者へ依頼しよう
同意書の確認と同意は、記載内容を把握するのに時間がかかるため、面倒だと思われがち…。しかし、同意書は法的な効力を持つ重要な証拠であり、万が一のときのトラブルを防ぐためにも大切なものといえるでしょう。
A1データでは、Webサイト上の入力フォームからの問い合わせ・調査依頼に対応。同意事項についても認識違いが生じないように必要事項を記載していますのでご安心いただけます。
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