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パソコンデータ(PC環境・ファイル)のバックアップ方法とは

パソコンデータ(PC環境・ファイル)のバックアップ方法とは

パソコンを使うとき、最も気を配らないといけないのはデータの管理です。データを保存しておく方法はたくさん存在しますが、いずれも物理的な故障や破損の可能性があります。また、人為的なミスによってデータが失われたり、ウイルスによる攻撃で破壊されたりしてしまうことも視野に入れておかなければいけません。これら、不測の事態に備える唯一の手段が「データのバックアップ」です。

代表的なデータ保存方法

  • HDDやSSDなどのパソコンの内蔵ドライブ
  • USBメモリやポータブルHDDなどの外付けドライブ
  • Blu-rayやDVD、CDなどのメディア
  • クラウドストレージ

バックアップという言葉に含まれる範囲

バックアップの目的は、「複製したデータを別の場所に保管して、オリジナルのデータに問題が発生したときに復元する」ことです。しかし、パソコンにおけるバックアップについては、以下のように分けてとらえる必要があります。

ファイルのバックアップ

一つひとつのファイルをコピーして、紛失や破損などに備えることを指します。具体的には、Microsoft WordやMicrosoft Excelなどのファイル、デジタルカメラなどで撮影した画像や映像のデータ、受信したメールの文章などのことです。先に示した各種メディアにコピーしておくことが一般的なバックアップ手段となります。

パソコン環境のバックアップ

パソコンにインストールしてあるソフトウェア(アプリ)やさまざまな設定など、作業環境を丸ごと保存しておくことを指します。パソコンが物理的に壊れたり、紛失したりしたときに、それまでのパソコンをそっくりそのまま再現することが目的のバックアップです。ファイル単位よりも必要な容量が大きく、情報も多岐にわたるため、専用のソフトウェアを使用する必要がありましたが、最近ではOSがこの機能を持っていることがほとんどです。

この2つの方法とは別に、パソコンに問題が発生したときに「出荷時の状態に戻す」こともバックアップに含まれます。しかし、この方法で得られるものは、「不調に陥ったパソコンが再び使えること」に過ぎません。HDDなどに保存していたデータや、購入後にインストールしたソフトウェア、アップデートした内容などはすべて失われてしまいます。その上、直前まで利用していた環境に「自力で戻す必要」があるため、「データのバックアップ」という意味では範囲外といえるでしょう。

ファイルのバックアップを取る

まずは最も簡単で、今すぐにでも実行できるファイルのバックアップ方法をご紹介します。

外部メディアを利用して手動で保存する

外付けHDDやポータブルHDD、USBメモリなどの記録媒体を「外部メディア(ドライブ)」といいます。中でもHDDは容量が大きく、最近ではコンパクトなサイズの物も多くリリースされており、代表的なバックアップの選択肢のひとつとなっています。OSの種類やバージョンによって多少異なりますが、バックアップの方法は以下のとおりです。

  1. 外部メディアをパソコンに接続する
  2. 外部メディアの保存先のフォルダーを表示する
  3. パソコンにある必要なファイルを、外部メディアのフォルダーにドラッグする

この方法は、必要なファイルだけを選んでバックアップを作成できることに加え、ほかのパソコンにデータを移動しやすいことが魅力です。しかし、持ち運びできるHDDやより小さいUSBメモリには紛失の危険がつきまといます。個人情報を含むデータを保存するときは、「パソコンにつなげたまま放置しない」「鍵のかかる場所に保管する」「ファイルをパスワードでロックしておく」といった方法で、内部のデータを守りましょう。

CD-RやDVD-R、Blu-rayメディアに保存する

パソコンに接続されたディスクドライブで、CD-Rなどのメディアにデータを保存する方法もあります。CD-Rの場合は約700MB、DVD-Rは約4.7~8.5GB、Blu-rayは25~50GBと、記憶容量に限界はありますが、外付けHDDやUSBメモリと同じような流れでデータをコピーすることが可能です。専用のケースを利用して記録面に傷がつくことを防ぎ、温度や湿度の過剰な変化にさらさなければ、長期間データを保持することができます。また、ラベルをつけることで内部のデータが視認できる点も見逃せないポイントです。

バックアップソフトで自動的に保存する

「とにかくバックアップには時間をかけたくない」という人に向いているのが、専用のバックアップソフトを活用することです。初期設定を済ませれば、あとは自動的にバックアップしてくれますから、ほかの方法と違いデータのコピーに時間を割く必要はありません。

なお、バックアップソフトには無料のものと有料のものがありますが、個人のデータ保存であればフリーのソフトで十分です。「バックアップソフト」などのキーワードでWebを検索、気に入ったものをダウンロードして、あとは案内に従えばそれで問題なくバックアップ態勢が整います。

仕事で使うパソコンの場合は、有料ソフトの導入を検討しても良いでしょう。「バックアップにかかる時間を短縮」「セキュリティ面が強化」「各種設定をより細かくアレンジ」など、フリーのバックアップソフトよりも充実した機能と安全を確保できます。

クラウドストレージサービスを利用する

インターネット上にデータを保存できる「クラウドストレージ」サービスが、近年大きく進化しています。将来性もあることから新規参入が相次いでいますが、最もポピュラーなのは、導入コストがかからない「Dropbox」でしょう。その利用手順は以下のとおりです。

  1. パソコンにDropboxをインストール
  2. 専用のフォルダーを作成
  3. バックアップしたいデータを専用のフォルダーにドラッグする

また、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像は、「Google フォト」などのサービスを使って、Web上に写真をアップロードすることでバックアップデータを作成できます。特にスマートフォンの撮影データは、「スマホと同期する」だけで写真が自動的にアップロードされます。

これらクラウドストレージサービスは「オンライン上にあるハードディスク」と考えてください。保存するデータが極端に多くなければ、無料の枠の中でこと足りますから、データのバックアップ場所として非常に優秀です。また、ネットワークに接続できる環境であれば、どのパソコンやスマートフォンからでも利用できるメリットもあります。ただ、データが常にオンライン上にある以上、セキュリティが万全であるとはいえません。前述のDropboxや「Evernote」のほか、GoogleやApple、Microsoftなどが運営する信頼度の高いサービスを選びましょう。手間もお金もかからず便利なクラウドストレージサービスですが、これだけに依存するのではなく、ほかのバックアップ方法と併用することも大切です。

パソコンを丸ごとバックアップする

ファイルを個別に保存するのではなく、今使っているパソコンをそっくりそのままバックアップすることもできます。専用のソフトウェアも多数リリースされていますが、Windows 7以降は「標準の機能」としてOSに組み込まれました。この機能(イメージバックアップ)を利用すれば、たとえHDDやパソコンが物理的に故障しても「バックアップした時点の環境」に戻すことができます。手順は多少複雑ですが、定期的に実施しておくと良いでしょう。

Windows 10のパソコン全体のバックアップ

  1. バックアップ先となる外付けHDDなどをパソコンに接続する
  2. スタートボタンを押して「設定」を選択
  3. 設定メニューから「更新とセキュリティ」を選ぶ
  4. 「バックアップ」「[バックアップと復元]に移動(Windows7)」の順に選択
  5. ウインドウの左側にある「システム イメージの作成」を選択
  6. バックアップを保存する場所を尋ねられたら「ハードディスク上」をチェック
  7. プルダウンメニューから接続した外付けHDDを選択して「次へ」を押す
  8. バックアップ設定を確認する画面で内容に問題がなければ「バックアップの開始」を押す
  9. 保存が終わるまで待ち「バックアップは正常に完了しました」と表示されたら「閉じる」を押す

2016年現在、Microsoftが推奨しているOSはWindows 10ですが、少しまえのWindows 7や8などを利用している人も多いでしょう。そういったパソコンをWindows 10にアップグレードする場合は、使い慣れたOSに戻れるように、システムイメージバックアップを行っておくと安心です。ここでは、Windows 7を例にバックアップ方法を紹介します。

Windows 7のパソコン全体のバックアップ

  1. バックアップ先となる外付けHDDなどをパソコンに接続する
  2. 「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」、「バックアップの作成」の順に選択
  3. 現れた画面で「バックアップの設定」を押す
  4. バックアップを保存する場所を尋ねられたら外付けHDDのドライブを選んで「次へ」を押す
  5. バックアップの設定画面で「自分で選択する」を選んで「次へ」を押す
  6. バックアップの対象を選ぶ画面ですべてのチェックボックスをチェックして「次へ」を押す
  7. 確認画面で問題がなければ「設定を保存してバックアップを実行」を押す
  8. 保存が終わるまで待つ

いずれの場合も、バックアップ先の外付けHDDに「WindowsImageBackup」フォルダーができていることを確認しましょう。このフォルダーが「その段階のパソコン環境」そのものであり、システムの復元に欠かせないものだからです。

なお、システムイメージバックアップは定期的に(自動で)行うことも可能です。しかし、あまり頻繁にし過ぎると、データ量が大きいバックアップファイルが保存先のHDDを圧迫してしまいます。そのような場合は「古いものを削除する」「期間を少し空ける」といった方法で、HDDを整理するようにしましょう。

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